ここ数ヶ月の間に『クトゥルフ神話TRPG』というゲームにハマりました。
今回は、何度かキーパー(進行役)としてプレイした際のコツや簡単な用語説明などを書いています。ちなみにこの記事は初心者キーパー向けですが、プレイヤーも読んで大丈夫です。
先日これらを意識しながら友人と遊んだら盛り上がったので、クトゥルフ神話TRPGに興味がある方やこれから始めようとしている初心者の方は、もしよかったら以下の内容を参考にしてみてくださいね。
クトゥルフ神話TRPGとは?
クトゥルフ神話TRPGとは、簡単に言うとホラーゲームです。怖くて強い神話上の怪物と戦ったり、怪物から逃げるために謎を解いたりします。
TRPGとはテーブルトーク・ロールプレイングの略です。基本的には、ゲームを進行役するキーパーと、ゲームを遊ぶプレイヤーが一緒にゲームを遊びます。
その際、プレイヤーは自分が作ったキャラクターの演技を行います。これをロールプレイといいます。
キーパーとプレイヤーは、ゲーム中に話し合いながら協力して物語を遊んでいきます。これをセッションといいます。つまりキーパーはプレイヤーの敵ではなく、基本的には味方として存在しています。
さらにクトゥルフ神話TRPGでは、怖い出来事があった時などに正気度(SAN値)が減るのが特徴です。ちなみに、クトゥルフ神話以外のTRPGもあります。
誰とやればいいの?
端的に言うと、初めてクトゥルフ神話TRPGを遊ぶのなら家族や友人とやるのが一番良いかと思います。
私もいきなり初対面の人とやるのは怖かったので、まずは家族に頼んで遊んでもらい、そのあと友人に遊んでもらいました。
ですがクトゥルフ神話TRPGは一般的なゲームと比べてあまり知名度が高いとは言えないので、周囲にルールを知っている人や遊んでいる人はいませんでした。
なのでクトゥルフ神話TRPGを遊びたいのなら「まずは自分が率先してキーパーをやり、身近な人にプレイヤーとしての楽しさを布教する」ことが大事なのだと思います。
自分がキーパーだと、家族や友人がルールを知らなくても教えるのはそれほど苦ではないですし、きっとプレイヤー側も安心して遊べるでしょう。
それでも人が集まらないのなら、ある程度ルールを理解してからSNSなどで仲間を募るという方法もあります。どちらにせよルールを理解するに越したことはないと思います。
そしてルールを理解するためは、「ルールブックを手に入れること」が重要です。ということで、まずは簡単にルールブックについての説明をします。
ルールブックについて
クトゥルフ神話TRPGを遊ぶには、とにかくルールブックが必要です。逆にルールブックさえあれば、すぐにでも遊べます。
さて、ルールブックは大まかに分けて「旧版」「新版」「スタートセット」の3種類があります。
スタートセット
まずは公式サイトからクイックスタート・ルールを無料ダウンロードして、読んでみることをオススメします。
このクイックスタート・ルールはスタートセットにも載っているので、本として手元に置いておきたい方はこちらを購入するのが良いでしょう。
どちらにせよ、クイックスタート・ルールは新版のルールが簡略化されたものです。なのでまずは一度目を通してみて、雰囲気を掴んでみるのが良いかと思います。
私はクイックスタート・ルールで何度か遊んでから、新版の新クトゥルフ神話TRPG ルールブック (ログインテーブルトークRPGシリーズ)を買いました。
当たり前ですがクイックスタート・ルールは簡単だけど内容が削られているので、ガッツリ遊ぶつもりなら最初から新版を買った方がコスパが良いのかもしれません。
ちなみに新版には旧版との互換性もあるので、悩んだなら最新のルールブックを買うと良いのではないでしょうか。
ルールは暗記するの?
ルールを理解する必要はあっても、暗記する必要は全くないと思います。
なぜならルールは「ゲーム進行に必要な手がかり」というだけであって、絶対に抗えない縛りではないからです。
例えばゲーム中に、キーパーが想定していなかった行動をプレイヤーが取りたいとします。
そんな時、ルールブックがあれば「その場合はルールに則ってこういう風に対処しよう!」と処理することができます。
プレイヤーは自分の要望を上手く伝えるために、そしてキーパーはゲームを円滑に進行するためにも、ルールブックは存在しているのではないでしょうか。
しかもぶっちゃけプレイヤー全員がしっかりとルールを把握していなくても、身内だけで遊ぶのならキーパーがプレイ中に説明すれば遊べなくはないです。
ただしそれだとキーパーの負担がかなり大きくなるので、キーパーの気持ち的には「プレイヤー側もルールブックをしっかり読んで!」と詰め寄りたくなりますが、まずはグッと堪えましょう。
もし自分が友達に誘われて「ちょっと興味あるかも…」となっているところに「ルール覚えろ!」とグイグイ来られるとかなり怖いかと思います。
ということで、「まずは自分がキーパーになってルールを把握し、初心者プレイヤーに教える」という心構えでいた方が楽なのではないでしょうか。
それで相手がハマってくれたのなら改めてルールブックを買ってもらい、そうでなければその相手とはTRPGで遊ぶのをやめて、また別の誰かを誘えばいいのです。
まずは人数を集めて、一人でも「TRPGって楽しい!」と思ってもらうことが重要だと私は思います。
簡単な用語説明
最初からルールを全て覚えるのは無理なので、まずはざっくりと用語の説明をします。
大体の用語を覚えてからルールブックを読み、徐々に詳細を覚えていくのが良いかと思います。
ロールプレイとは
ロールプレイとは、正確にはキャラクターになりきることではなく「キャラクターの役割を演じる」ということです。
もちろん、なりきりたいのならそれで構いませんが、初心者プレイヤーはどうしても恥ずかしさや難しさの方が勝ってしまうかと思います。
なので無理になりきる必要はなく、例えば脱出系のゲームなら「閉じ込められてしまった一般人」を意識して行動するだけでいいのです。
セッションとは
セッションとは、ざっくり言うと「キーパーとプレイヤーの意見を擦り合わせる」ことです。
キーパーがゲーム中の状況を伝え、それを受けてプレイヤーがどう行動するかをセッションで決めます。
例えば「机の上に本がある」とキーパーが伝えた場合、プレイヤーは本を読んでもいいし、読まなくてもいいのです。
ダイスロールとは
ダイスロールとはその名の通り「ダイスを振ること」です。プレイヤーは基本的にどんな行動でもできますが、中には技能(スキルのようなもの)を必要とする場合もあります。
ダイスロールの出目により、技能が成功したか・失敗したかを決めます。例えば成功で何らかの情報を得られるというメリットもありますが、失敗で何も情報が得られないなどのデメリットもあります。
また、ダメージ計算などもダイスロールで行います。わざわざ実際にダイスを用意しなくても、後述のwebツールにて簡単にダイスが使えます。
キャラクリエイトとは
キャラクリエイトとは、ゲーム前に「プレイヤーが動かすキャラクターを作る作業」です。
ちなみに友人はキャラクリエイトに悩んでいたので、こちらが事前に作っておいた職業や技能などを使ってもらいました。
あとキャラの名前はすごい名前生成器を使い、ステータスはキャラシート作成でランダムに振りました。
初心者プレイヤーと遊ぶ時は、ある程度キーパー側でテンプレ的なキャラを用意していた方がグダグダにならずに済むのかもしれません。
使用ツールとは
遊ぶ際にはTRPG用のツールがあると便利です。例えば、ツールを利用してゲーム中に背景を出すと臨場感が増しますし、ダイスロール等の管理も楽になります。
私の場合は、ライン通話をしながらTRPGスタジオを利用しました。チャット形式で画面上のキャラを喋らせるので、形式としては「テキストセッション+ボイスセッション」になるかと思います。
TRPG用ツールはココフォリアやユドナリウムなどいくつか種類がありますが、私は公式HPを見て直感的に分かりやすいと感じたTRPGスタジオを選びました。
実際に遊んでみた結果、TRPGスタジオはとても使いやすく、デザインもノベルゲーム風でオススメです。
また、TRPGスタジオには「キャラクターの立ち絵」と「背景」の公式素材があるので、何も準備せずともある程度は形になります。
余力があれば、事前に「使用するアイテムの画像」や「BGMと効果音」なども用意していた方が楽しいかと思います。BGMが1つあるだけで雰囲気も出やすいです。
ちなみに私はMusMusの「メザメ」というBGM素材を使いました。謎解きっぽさが出てめちゃくちゃオススメです。
シナリオとは
シナリオとは、ゲームの核となる物語のことです。シナリオはルールブックに載っているものもあれば、ネット上で有志が公開しているものもあります。
私の場合は、pixivにて公開されている『ロッカー』というシナリオで遊びました。
2021.3.1追記:現在『ロッカー』は非公開になっているようです。なのでシナリオ選びに迷った方は、クイックスタートに掲載されている『悪霊の家』というシナリオを遊んでみるのもアリかと思います。ちなみに私が初めてキーパーをしたシナリオは『悪霊の家』でしたが、遊んでいて「これはどう処理すればいいんだ?」と悩みました。初心者には少し難しいシナリオかもしれませんが、基本的なルールは総ざらいできるかと思います。(追記終了)
余力があれば、自分でシナリオを見つけてみるのも楽しいです。私は主にPixivやシナーチで探しています。
シナリオの使い方
私の場合はシナリオをそのまま使わずに、一度パソコンのメモ帳にコピペしてから使いました。
いきなりぶっつけ本番で遊ぶのではなく、まずはシナリオ全体に目を通してから詳細を随時メモに書き込んでいくという方式です。
例えば自分が分からない箇所をルールブック片手に一つずつ潰していくと、スムーズにキーパーができます。
最終的に出来上がったメモをTRPGスタジオの「シナリオ機能」に張り付けると、簡単にコピペした文章をチャットで表示させられるのでオススメです。
キーパーへ3つのコツ
ゲームを始める前に私がプレイヤー側に話したことは、以下の3点です。
・ざっくりルール説明をする
・ツールの使い方を説明する
・プレイ時間を伝える
この3点さえ押さておければ、本番でも焦らずに済むかと思います。では、以下で1つずつ詳細を説明していきます。
ざっくりルール説明
まず、プレイヤーへは事前にクイックスタートのデータを送り、「読めたら軽く目を通してみてね」と言いました。
さらに併せて解説動画も送り、これも「時間があればこっちも見てみてね」と伝えました。
解説動画
その結果、ゲーム開始時までにプレイヤーの1人は「クイックスタートをさらっと読んだが難しかった」と言い、もう1人のプレイヤーは「解説動画を見たけど難しかった」と言っていました。
もし万が一、プレイヤーがクイックスタートや動画を事前に見ていなかったとしても、とりあえずはそれでいいのです。
とにかく「プレイヤーのやる気を削がず、できるだけ興味を持ってもらうこと」が第一の目標です。
そして私の場合は、ゲーム開始前にパワポで簡単なスライドを準備しました。この記事に貼ってある1~7の画像が実際に使用したものです。身内用なら許可なくこの画像を使っても大丈夫です。
もちろんわざわざプレゼンをやらなくても良いのですが、初心者プレイヤーにはゲーム前に簡単なルール説明をしてあげるのがベストかと思います。
クトゥルフ神話TRPGのルールはとても複雑で一見よく分かりません。だからこそキーパーがしっかりルールを理解して説明をすることで、初心者プレイヤーにも受け入れてもらえるようにする下地作りが必要でしょう。
クトゥルフ神話TRPGを布教するためには「相手をもてなすことや協力しようとする気持ち」が何より大事だと私は思います。
ちなみに私はスライドを使って約10分くらいルール説明をしました。 手短に説明することで、プレイヤーにできるだけ「想像より簡単そう!」と思ってもらった方がいいかと思います。
ツールの使い方を説明
プレイヤー側には事前に、「TRPGスタジオをTwitterアカウントで登録しておいてね」とだけ伝えておきました。
元々TRPGスタジオはプレイヤーの操作がとても簡単なので、そこまで説明する必要はないかと思います。もしも心配なら、以下のリンクから利用方法を読んでみてください。
参考記事
プレイヤー側がTRPGスタジオでやることは「入室後にキャラを配置し、状況に合わせてセリフをチャットする」だけです。これを伝えればプレイヤーはさらに安心し、よりゲームに集中してもらえるでしょう。
ちなみにスマホでのプレイも可能です。キーパーがスマホ操作だとちょっとキツいかもしれませんが、プレイヤー側なら問題ないかと思います。私の友達はiPadでプレイしてました。
プレイ時間を伝える
プレイヤーには、事前にプレイにかかる時間を伝えた方が良いでしょう。
私の場合は、まず「2〜3時間かそれ以上かかる可能性があるけど大丈夫?」と伝えて了承をもらいました。
実際は説明とキャラクリエイトに1時間半、プレイに2時間半くらいの合計4時間かかったので、伝える際はもう少し余裕を持たせてもいいかもしれません。
失敗談として、私の妹には何も伝えずいきなりクトゥルフ神話TRPGをやろうと伝えたら、キャラクリエイトの時点で「まだ?長くない?」と言われました。
なのでプレイヤー側には、前もって予想時間を伝えて心の準備をしてもらうのがベストかと思います。
プレイ時の進行方法
事前準備はできたとして、では実際にプレイする時はどうすればいいのかを説明します。
この時点でキーパーは事前にコピペしたシナリオを貼り付け、プレイヤー側はキャラを画面上に配置できているかと思います。できていなければ、まずそれを行ってください。
プレイヤーを誘導する
まずは、キーパーはゲームの導入文をチャットで流してください。そして導入が終わったら、プレイヤーに行動を促してみてください。
例えば今回のシナリオだと、「ロッカーを調べることもできるし、部屋を調べることもできるけどどうする?」と伝えました。
キーパーは全部を丸投げしてプレイヤーに行動を任せるのではなく、ある程度の選択肢を与えると上手くいくかと思います。
失敗談として、私の妹はゲームの途中で次にキャラが何をしたらいいのか分からない状態になってしまいました。
そうすると私もキーパーとしてどこまで言っていいのか悩み、お互いに黙り込んでしまいましたが、そういう時こそヒントを出してあげる方がいいかと思います。
「そこまでやるとプレイヤーはつまらないのでは?」と思いましたが、意外にもそうはなりませんでした。
以下の記事でも「プレイヤーが黙るのは情報が足りてないから」だというようなことが書いてありました。
2021.11.30追記:参考記事がリンク切れになってました。キーパーはプレイヤーに適切な情報を与えよう、というような内容でした。(追記終了)
なのでキーパーはさり気なく次の行動を促したり、ノンプレイヤーキャラクターにヒントを喋らせるなどした方が良いかと思います。
ロールプレイのやり方
どこまでロールプレイをしてもらうかの線引きですが、私の場合は「キャラが喋るところ」だけをプレイヤーに任せました。
具体的に言うと、「通話上ではプレイヤー同士の会話は素で、チャット上のみロールプレイをしてもらう」ということです。
初心者プレイヤーに全てをロールプレイしてもらうのは難易度が高いので、まずは通話でセッションをします。そしてキャラの行動方針が固まったら、改めてチャットでロールプレイをしてもらう形が良いかと思います。
シナリオが破綻しなければ、プレイヤーにはある程度自由にロールプレイしてもらいます。そうなるとキーパーが想定していなかった行動なども起こるので楽しいです。
ただし、何でもかんでもOKするのではなく「ここまではできる」という線引きをしておいた方がやりやすいです。これ以上は収拾がつかなくなると思ったら、遠慮せずにキーパー側からNGを出しましょう。
ダイスロールのやり方
まず、ダイスロールは1D100のように表記されます。これは「前者の回数ダイスを振り、後者の面のダイスを使う」という意味です。つまり100面ダイスを1回振るということですね。
よく使うダイスロールの種類は、大まかに分けて2つあります。
・SANチェック
・技能ロール
では、以下でそれぞれのダイスロールについて説明します。
SANチェックについて
SANチェックとは、怖い出来事が起こった際に行うダイスロールのことです。SAN値は正気度なので、恐怖すると減る可能性があります。
SANチェックのやり方ですが、まずは1D100でダイスロールします。出目が「現在のSAN値以下なら成功、そうでなければ失敗」です。
減ってしまうSAN値の量は固定ではありません。例えば「0/1D3の正気度が減る」とシナリオに書かれている場合、「成功で前者の数値、失敗で後者の数値」が減ります。1D3なら3面ダイスを1回振るということですね。
技能ロールについて
技能ロールとは、技能の使用に成功したかを判定する際に行うダイスロールです。1D100でダイスロールして「使いたい技能の成功率以下の出目で成功、そうでなければ失敗」になります。
例えば<鍵開け>の技能で引き出しの鍵を開けたいのなら、成功すると開きます。反対に失敗すると開きません。
ちなみに新版(第7版)のルールブックを使用する場合、技能ロールは失敗した際にプッシュ(再挑戦)もできます。ただしプッシュに失敗すると、キーパーの裁量で「悪い結果」が起こります。
おすすめ動画
ゲームを進行する際にお手本になるのが、自分以外のキーパーやプレイヤーです。
他の人たちはどのようにセッションしているのかを見ると参考になります。いくつか見た動画の中でオススメのものを以下で紹介します。
【クトゥルフ神話TRPG】手足がなくなっていく話 第一話【だるま駅】
実はめっちゃ面白いクトゥルフ神話TRPG
動画を見ることで「こんな感じにやればいいんだ」と思えます。あと普通に見てて面白いです。
ただし動画によっては、旧版のルールやハウスルールなどを適用している場合もあるので注意しましょう。
あと、動画やこの記事はあくまで独自のやり方なので、どちらも参考程度にとどめておくのが良いかと思います。
キーパーやプレイヤーが変われば、やり方は十人十色です。あまり他者のやり方をこれが正解だと決めつけない方が、実際に遊んでいて柔軟に対応できます。
逆に言うと身内だけでやるのなら、ある程度はキーパーがやりやすいようにルールを変えてしまうのもアリなのではないでしょうか。
プレイ後の感想
遊んでみた結果、プレイヤーからは「楽しかった!」と言ってもらえたし、キーパーとしても上手くいったのではないかと思います。
友達に「今度はキーパーもやってみようか?」と提案されたのはとても嬉しかったので、準備は大変だったけど頑張ってよかったなと思います。
これから初めてキーパーをする人は大変かと思いますが、きっと準備すればするだけ自分もプレイヤーもラクになるしその分楽しくなるはずです。
もしたくさん準備したのに上手くいかなかったら、相手がクトゥルフ神話TRPGに興味を抱けなかっただけのことです。
そういうことを防ぐためにも、キーパーは事前にしっかり準備したり、プレイヤーがクトゥルフ神話TRPGに興味がありそうかを見極める必要があると思います。
自分がプレイヤーの場合は、逆もまたしかりでしょう。どちらか一方が悪いわけではありません。なぜなら、ゲームは一人ではできないからです。
最悪、スライドを使ってプレゼンしても相手の食いつきが悪かったらその場で解散しても良いでしょう。お互いの時間を無駄にするくらいならその方がマシです。
私も妹とやった時はめちゃくちゃグダったので途中でやめて、その後一緒にAPEXで遊びました。ゲームはただの手段でしかないので、もっとそのメンバーで楽しめることが他にあるかもしれません。
クトゥルフ神話TRPGにこだわる必要はないですが、できることならみんなで楽しくクトゥルフ神話TRPGを遊びたいですよね。だからこそ、この記事がそんなあなたの手助けになればいいなと思います。
追記1:友人に布教してみた結果
あれから他の友人にも布教してみたのですが、そこで分かったのは当たり前だけど「どれだけクトゥルフ神話TRPGを布教しても興味を持たない人もいる」ということです。
・リプレイ動画だけ見たことがある
・聞いたことあるし何だか面白そう
・聞いたことあるけどルールが複雑そう
・全く知らないし聞いたこともない
下に行くほど布教する難易度が高いです。特に「クトゥルフを知らないし、TRPGがどんなものなのかも知らない」という人は布教しても全く手応えがないという結果でした。
具体的に言うと上2つに該当する友人は一緒に遊んでくれましたが、下2つに該当する友人には断られてしまいました。
なのでクトゥルフ神話TRPGを友人らと一緒に遊ぶときは、相手がどのレベルでクトゥルフ神話TRPGに興味を持っているかを事前に確認しておくと良いかもしれませんね。
しかし何より大事なのは「たとえ断られても相手を尊重する気持ち」なのだと思います。相手に興味がなさそうなら、潔く引くことも大事だなと改めて思いました。
もしくはすでにルールを知っている人を探して一緒に遊ぶのも、場合によっては必要でしょう。ちなみにTwitterでプレイヤーの募集を探すと、「旧版ルールブック・ココフォリア・ディスコード」を使っている人が多い印象でした。
あと、やっぱりクトゥルフ神話TRPGはTVゲームと比べると難しいし手間がかかる遊びなんだと思います。間違いなく人を選ぶゲームだし、みんながみんな楽しめるものではないでしょう。
しかしTVゲームよりは自由度が高いし、ハマればめちゃくちゃ楽しいゲームだとも思っています。もちろん自由というのは何をしても良いというわけではなく、遊ぶ人たちに少しだけ余白が残されているという意味です。
追記2:TRPGの難しさ
ここ2年ほどクトゥルフ神話TRPGを含めた色々なTRPGを遊んできましたが、その中でも特にクトゥルフ神話TRPGで遊ぶのは難しいなと感じています。
具体的に言うと、ゲーム中に「この後どうしたらいいの?」となることが多かったです。少なくとも私と友人はそうなりがちでした。
ですがその難しさはルールの複雑さではなく、アメリカと日本の文化の違いから来るものではないか?と思うようになりました。
そもそもクトゥルフ神話TRPGはアメリカのケイオシアム社が作ったゲームだし、クトゥルフ神話を生み出したラヴクラフトもアメリカ人です。しかも舞台は1920年代のアメリカなので、日本人にピンと来るわけがありません。
相手に自分の意見をハッキリ伝える文化がある国と、そうでない国との自己表現に差があるのはどうしようもありません。
どちらが良い悪いではありませんが、つまりここにクトゥルフ神話TRPGの難しさがあるのではないかと私は考えています。
ところで1920年代のアメリカを理解するために華麗なるギャツビー(字幕版)という映画を見ましたが、なかなか面白かったし参考になりました。プライムビデオにあるので興味のある方はぜひ!
なんだかんだ書いてますが、結局TRPGはコミュニケーションのゲームだと思います。自分はどうしたいのか、一緒に遊ぶ人はどうしたいと思っているのか。100%自分の意見が通るということは、ゲーム以外の場面でも絶対にあり得ません。
ゲームのプレイスタイルもそうでしょう。ガチガチに戦闘を楽しみたい人、キャラクターの活躍に重きを置きたい人、ヒリつくような恐怖を味わいたい人…色んな人がいます。
自分の好みを押し付けるのではなく、みんなが満足できるような場を作ることが重要なのではないでしょうか。
追記3:コズミックホラーとは
クトゥルフ神話をもっと知りたくて、ラヴクラフトが書いた小説を青空文庫で読んだら難解すぎて詰みました。
そんな時に新訳クトゥルー神話コレクションシリーズを読んだらめちゃくちゃ読みやすくて面白かったので紹介しておきます!
1巻はクトゥルフと海がテーマです。おどろおどろしい雰囲気そのままに、文章中の補足なども書いてあって分かりやすかったです。
ちなみに私は、収録作の中で『インスマスを覆う影』が一番不気味で好きです。『神殿』もロマンと狂気があって面白かったな。
きっとラヴクラフトが描きたかったのは、未知なるものへの畏敬なんじゃないかなと思います。怖いけど、どうしようもなく惹かれてしまう何かがある。
あとインスマス繋がりで言えば、『ダゴン』というホラー映画も観ましたがこれも面白かった!
そういえば新訳クトゥルー神話コレクションシリーズに『狂気の山脈にて』は載ってないんですけど、クトゥルー神話傑作選には載ってました。
ラヴクラフトの文章は長いしクセもあるし読むのが大変だと思うんですが、じわじわ面白くなってくるので私は好きです。
コズミックホラーってなんだ?と思っている方は、ぜひこれらの作品に触れてみてください。きっとその片鱗がうかがえます。
追記4:ボードゲームにもハマりました
新版のルールブックです。420ページ以上もあるので分厚いですが、ソフトカバーで読みやすいです。基本的なルールから銃の種類まで様々な資料が大量にあるので、読むだけでワクワクします。
クイックスタート・ルールが載っているルールブックです。一人で遊べる入門用のソロシナリオや、キーパーに必要な情報がまとめられているキーパースクリーンも付いてきます。
公式から出ているダイスセットです。ちょっとお高いですが必要なダイスが全て揃っているし、何より雰囲気がとても良い!箱がダイストレーにもなるのでオフラインセッションでは重宝しています。
ちなみに私が簡単に遊べて面白いなと思ったTRPGはフィアスコです。TRPG初心者でもめちゃくちゃ盛り上がるのでオススメです!